下肢静脈瘤プラザ|最新の下肢静脈瘤レーザー治療。|東京都江戸川区の江戸川病院・千葉県市川市のメディカルプラザ市川駅

Q. 30年前にストリッピングをしました。4・5年前からスパインダーベインと下腹部に血管の蛇行がでてきました。また最近下肢に点状の出血斑?が出ています。ストリッピングの影響でしょうか? (60代、女性)
 
 

A:回答

下肢静脈瘤は再発を起こす病気であります。当時のストリッピング手術で、原因となっていた大伏在静脈は抜去してますので、なくなっています。ですから、そのあとに出てきた下肢静脈瘤は新たな静脈から生まれたものなのです。その再発は個人差があり、再発までの期間は1年以内から十数年まで様々です。
 

スパイダーベインは、皮膚の中の毛細血管が拡張したもので、それ自体は体に悪影響は及ぼしません。ただ、見た目では赤や青い色がつくため、目立ってしまいます。その中で、隠れ静脈瘤の可能性があります。
 

隠れ静脈瘤とは、目に見えない静脈瘤です。これは表面にボコボコとした血管のふくらみがなくても、その下にある大小伏在静脈に弁逆流ができる場合があります。そうすると、血液が停滞して静脈高血圧をもたらします。体はその行き過ぎを防ぐため、あらゆる脇道へ血液を逃がします。小枝のようにでている皮膚への毛細血管へも血液は逃げてくるため、皮膚の中の毛細血管まで浮いてくるのです。
 

ご質問の中で、以下の3点が気になりました。
 

1.スパイダーベインは手術した足に出てきたのでしょうか?

同じ足であれば、太ももにできる場合とふくらはぎにできる場合があります。
 

太ももの場合は、膝の上あたりが好発部位ですが、太ももの外側にもできる方がおられます。ストリッピング手術では足の付け根の大伏在静脈を切断するわけですが、その際に血管の枝をきちんとしばって切り離さないと、そこから再発がはじまります。とくに副大伏在静脈と言って、太ももの前面から膝の外側に向かって走る静脈が残っていると、次第にボコボコとしてきます。
 

ふくらはぎにできている場合は、弁逆流のある小伏在静脈や膝下に残存した大伏在静脈からの枝か、穿通枝(または交通枝)といって深部静脈(足の真ん中あたりで筋肉の中または間を走る太い静脈)と表在静脈(皮膚の下の脂肪の中を走る静脈)をつなぐ静脈の弁不全が疑われます。
 

もちろん、これらがなければ、スパイダーベインはからだに負担をかけないので、心配はいりません。
 

2. 下腹部の血管の蛇行?

ストリッピング手術は足の付け根までの手術ですので、その上流にはいっさい影響がでてきません。従いまして、下腹部の静脈が浮いてくるのは、別の原因が考えられます。
 

一般に、静脈が浮くということは拡張している訳ですから、その静脈に弁不全が存在します。もちろん、それ自体は見栄えは悪いですが、体に負担を与えませんし放置しておいても問題ないでしょう。
 

しかし、何でできたかは注意する必要があります。
 

かなりの肥満や女性の妊娠などお腹がかなり大きくなると、お腹の壁が引き伸ばされるため、その中を走る表在静脈の弁が壊れる可能性があります。
 

一方、お腹の表面の静脈はお腹の中を走る太い静脈のバイパスの役目も持っています。そのため、お腹の中で静脈血流が悪くなると、お腹の壁の静脈を経由して心臓へ戻ろうとします。これらの代表に、肝硬変や下大静脈閉塞などがあり、水面下に隠れている重篤な病気のシグナルかもしれません。
 

毛細血管が見えるだけでなく、かなりの数の静脈が下腹部に浮いている場合は、一度医療機関(消化器科)での検査をお勧めします。
 

3. 下肢の点状出血?

一般に点状出血とは、毛細血管レベルで血管が破たんして、皮膚内または皮膚直下に出血した状態といえます。たいていは小さな裂け目からの出血ですので量は多くありませんが、かなりの毛細血管が同時に破たんすることが多いので、点々と多発して見えます。
 

打ち身の後に青あざができることがありますが、これは毛細血管よりやや太め(直径0.5mm以上)の小静脈が破たんしている場合で、点状というよりはべったりとした斑状(はんじょう)のことが多いですよね。もちろん、打ち身の程度にもよりますが・・・・。
 

下肢に点状出血がある場合は、下肢の毛細血管が破たんした状態です。通常であれば、皮膚や皮下脂肪がクッションの役目をするため、点状出血は日常生活ではおこりません。しかし、毛細血管が膨らんだ状態では、ちょっとした衝撃にも破たんしやすくなるはずです。この状態は、先ほどお話した静脈高血圧が潜在的にある可能性を意味しています。つまり、下肢の静脈うっ滞(血液がたまりすぎている状態)があるということです。
 

ところが、これで説明できない点状出血があります。うっ滞を起こしにくい腕、胸、腹、背中、顔などの点状出血です。これらはもはや静脈高血圧では説明できません。心臓の高さとの落差が小さいため、血液がたまりすぎることは起こりません。
 

この場合は、血管や血液の病気を考えなくてはなりません。毛細血管の壁が弱くなったり、血液の凝固能が低下すると起こるのです。昔からある病気で壊血病(かいけつびょう)があります。ビタミンCの欠乏により、コラーゲンが作られなくなり、血管がフニャフニャになって破れやすくなるのです。ほかに、血管が破たんしてもそれを修復するはずの血小板が減少していても、同じような点状出血が起こるのです。
 

たかが点状出血ですが、足だけの問題ではなく、全身性の病気の可能性があるのです。
 

一度、医療機関で専門医の診断を受けることをお勧めします。