下肢静脈瘤プラザ|最新の下肢静脈瘤レーザー治療。|東京都江戸川区の江戸川病院・千葉県市川市のメディカルプラザ市川駅

Q. むくみがひどく、膝から下がだるい。内科と形成外科で検査を受けました。

歩くたびにファーファーと全身にきます。毎日がとても辛く、何科に行けばよいか教えて下さい。

体にかゆみもでています。(60歳代、女性)

 

A:回答

お話の内容を整理しますと、(1)下肢のむくみとだるさ、(2)歩行時の全身症状(ファーファーという感覚)、(3)全身のかゆみにまとめることができると思います。

 

下肢のむくみは、下肢の静脈血圧かリンパ液のよどみかのどちらかになります。ただ、リンパのよどみはリンパ浮腫に代表されるように、体の一部分がむくむだけで全身の症状は出てきません。

ですから、なんらかの原因で下肢から全身にかけての静脈圧が上昇すると、足にむくみが出てファーファーとした症状も感じるのかと思われます。

 

ただ、このファーファーといった症状を感じるのはどこですか?

患者さんによって、「頭がファーファーする」、「胸(また息)がファーファーする」など感じる場所が様々です。

頭の場合は脳血流や自律神経の異常、胸の場合は心臓や肺の異常などが疑われます。

つまり、下肢のむくみとだるさに全身性の症状がある場合は、内臓性の病気が隠れている可能性があるのです。

 

内科での検査結果に何か異常がありましたか?

内科での検査では、採血検査、胸のレントゲン検査、心電図検査をすると思います。このほかに、頭の異常がある場合は、CTやMRIなどの踏み込んだ検査が必要になると思います。

 

このように病状が診療科の境界領域にあると、何科の医療機関にかかったらよいかわかりませんよね。

これが私が講演でよくお話をする、『現代型の医療難民』ができる原因なのです。

 

それでは、どの診療科にかかればよいか、私たちなりにご提案いたします。

 

1.下肢静脈瘤専門医(おもに血管外科) :まず、足のむくみが足の静脈が関係しているか確かめてもらいましょう。

 

もし、異常がなければ・・・、

2.循環器内科または心臓血管外科:足のむくみは下半身に血液がたまることで起こります。心臓やお腹の中の太い静脈に異常がないか調べてもらいます。もしなければ、水分の取り過ぎや肥満、お酒の飲み過ぎなど生活習慣に問題がないかアドバイスをもらってください。お腹の内臓に異常があれば、消化器内科や消化器外科へも紹介してもらえます。胸がファーファーするならば、ここで解決するかもしれません。

 

これで、異常がなければ・・・、

3.一般内科または内分泌内科、消化器内科や消化器外科:循環器系に異常がない全身のむくみがある場合は、内分泌(いわゆるホルモン)の異常や肝臓、腎臓に異常、糖尿病があるか調べてもらってください。

 

もし、頭がファーファーするならば・・・、

4.脳神経内科または脳神経外科脳血流の循環異常や脳神経系の異常がないか調べてもらってください。場合によっては耳鼻科に紹介されることもあるかもしれません。

 

ここまでくると、ある程度目星がつくはずです。

全身のかゆみについては、上記のどこかで原因がわかると思います。それは肝臓病、腎臓病や内分泌疾患(ホルモン異常)で現れることが多いからです。

 

しかし、それでもわからない場合は、

5.皮膚科または形成外科:発疹や色素沈着など皮膚病変がある場合は、皮膚自体の問題も考えなくてはなりません。冬場の乾燥肌からくるかゆみもありますので、いろいろな皮膚病の可能性を調べてもらってください。

 

以上ですが、たくさんの診療科にかからなければならなくて大変ですよね。まるで、病院のすべての診療科を一周する感じです。

そこで、お近くに大学病院クラスの大きな医療機関がある方にはお勧めの診療科があります。

 

それは、今注目されている『総合診療科』です。NHKのドクターGでお馴染みですよね。

 

ここにいらっしゃるお医者さんは、上記の診断過程をすべてひとりで診てくださると思います。

ただ、病院へ行く前には、電話で総合診療科の初診があるか必ず確かめてくださいね。